Estuarine&Coastal Eng. Lab., Yokohama National University
研究内容・発表論文Research activeites and Publications
これまで行ってきている海岸工学，特に沿岸域における波浪特性と漂砂の問題，砂浜の地形変化モデルの構築についての研究についても，引き続き取り組んでいきます．沿岸域の海象特性，沿岸環境についての研究についても徐々に行っていく予定です．
＜研究キーワード＞
・砕波帯内外での底質移動
・砂層内水分量，間隙水圧
・バーム，アウターバー
・波浪，海岸音
・海岸脆弱性
・津波洗堀
漂砂，地形変化関連
砕波帯内は，砕波や乱れに伴う底質の浮遊により，多くの底質が移動します．また，それに伴い，地形変化も活発に生じる領域になります．これまで，この砕波に伴う乱れ等による底質浮遊について，砕波時の3次元流体運動の解明，底質浮遊の局所性・間欠性に関する検討を始め，汀線位置の長期変動，遡上域の地形変変化モデルの構築等を行ってきています．間隙水圧計を用いた砂層内部の圧力変動が底質動態に及ぼす影響の検討や，ハイスピードカメラを使用した流体場，底質移動動態把握なども行っています．
研究トピック
・ バームの形成侵食に着目した地形変化モデルの一般化
・ 遡上域の地形変化モデルの長期化
・ 底質内圧力変動，水分量と浮遊砂量の関連
これまでの研究
・ 汀線位置の前進速度に関する研究
・ 底面圧力変動が及ぼす浮遊砂巻き上げへの影響に関する研究
・ 底面下鉛直圧力勾配の特性把握とその統計的モデル化
・ 浜崖前面建設可能構造物の実験的研究
沿岸域環境関連
沿岸域における波，流れに関する研究も合わせて行っています．現地調査によって得られた戻り流れデータを用いての数値モデルの改良や，波打ち際に形成される沿岸方向の凹凸（ビーチカスプ）の特性の解明，また，マイクロプラスチックに関する検討も実施しています．
研究トピック
・ カスプ地形形状の特性把握，形状変化予測
・ 戻り流れに及ぼす潮汐，地形形状の影響の解明とモデルの改良
・ 観光海岸におけるマイクロプラスチック（MP）含有量とその動態把握
これまでの研究
・ 放流に着目した相模湖の流動変化に関する研究
・ 海岸環境音の快適性
・ マングローブによる沿岸域防災
・ 波浪音を用いた海象情報の把握に関する研究
・ 強風時が及ぼす湾内流動変動に関する研究（京大，電中研との共同研究）
沿岸防災関連
高波浪や防風などによる沿岸域にて生じる自然災害に対して適切な対策を行うための研究を行っています．海岸環境データを用いた波浪場の推定や，数値シミュレーションを用いた高潮浸水計算などを実施すると共に，海岸構造物の性能評価などに関する研究も行っています．また，地域住民の適切な避難に関する内容など，他分野との連携も進めています．
研究トピック
・ ICレコーダーを用いた現地波浪推定法の一般化
・ マルチハザードにおける砂浜の脆弱性に関する検討
・ BVI（Beach Vulnerability Index），CVIの策定
・ 津波越波による構造物背後の洗堀モデルの高精度化
これまでの研究
・ 津浪発生時における避難促進策の提案
・ 東北地方太平洋沖地震による津波の動画解析
・ 数値波動水路を用いた橋桁流出危険度判定法の検討
・ 2004年インド洋津波のインドネシア，スリランカの被災状況
発表論文
直近の発表論文を以下に示します．これら以外については，横浜国立大学研究者総覧に記載していますので，そちらでご確認ください．［YNU 研究者総覧］
1) Suzuki, T., Tajima, K., and Jayaratne, R. (2022). Laboratory modelling
of vertical sediment mixing in the surf zone. Coastal Engineering Journal,
64(4), 619-629. doi.org/10.1080/21664250.2022.2143750
2) Borribunnangkun, K., and Suzuki, T. (2022). Statistical modeling of
undertow on a natural beach. Coastal Engineering Journal, 64(4), 489-505.
doi.org/10.1080/21664250.2022.2122374
3) Gelfi, M., Suzuki, T., and Jayaratne, R. (2022). Sediment size effect on the landward coastal structure scour prediction due to tsunami. Journal of Japan Society of Civil Engineers, Ser. B2 (Coastal Engineering), 78(2), I_469-I_474. doi.org/10.2208/kaigan.78.2_I_469
