横浜国立大学 コンクリートカヌー

『美』への挑戦

第十一話 カヌー操舵手養成


カヌー製作が着々と進む中、一人の男がスケジュール調整に四苦八苦していた・・・・。



スケジュール班リーダー・古谷英彦(学部4年)




カヌー製作から大会出場までには、さまざまな外部の人にもお世話になります。

自分達で作るだけならば自分達のペースでやっても何も問題ありませんが、外部の人に協力していただくとなると話は別です。

しっかりとスケジュールを決定しながら作業工程を組み、協力してくださる方々の予定に合わせなければなりません。

去年はそのスケジュール調整に意外と手間取ってしまったという苦い経験があり、今年からはスケジュール調整班が設置されました。

スケジュール調整ワーキングパーティ。

班長を拝命するは、その名も高き古谷英彦。(鉄道オタクとの噂あり)

班員は、班長一人( ̄▽ ̄;)




古谷:「さて、スケジュールをどう決めてくれようか・・・・・。」

考える古谷・・・・・。


コンクリートカヌー大会に出場するには、カヌーを完成させるだけでなく、クルーの養成も求められます。

そのため、昨年などはカヌー講座に出席したり、実際に作製したコンクリートカヌーを大学のプールに浮かべ練習するなどの方法をとってきました。



しかし・・・・・・、

古谷:「弱ったな・・・・。今年はプールが使えない。」


プールが利用不可だったため、このままでは作製したカヌーを使ってのレースがぶっつけ本番になってしまう。

いくらコンクリ研の絶倫達が本番に強いとは言え、これはあまりに無謀である。
そのため、再び海洋コースの方々にお願いするのであった。



古谷:「実験用の大型水槽を、カヌーのために使わせて頂きたいっ!!」



ここから、ゼネラルマネージャーの下田とともに、スケジュール班リーダー古谷の怒涛のスケジュール調整が始まる。


第十話までのカヌー作成工程において、かなりタイトなスケジュールの中スムーズにカヌー完成までこぎつけるコトができたのは、ほぼ彼のおかげと言って過言でない。

そして、8月の17日にはみなとみらいで行われるカヌー講習の予約をゲット。

さらに、古谷は、下田とともに、見事大型水槽の使用許可をいただくのであった。




それではクルーの養成課程を、写真を交えてご覧下さいっ!!


7月17日           

絶倫達は、小雨降るみなとみらいに海パン姿で集合する。

海パンに着替える絶倫達。 みなとみらいには、こんな場所があるのです。



天候がだいぶ微妙な8月17日。
コンクリ研はシーカヤック教室に参加しました。



しっかりとライフジャケットを着込んだら、
パドルの持ち方とかを教わります。

本日カヌーを操るルートは以下の通り。

(ホームページ製作者は参加しておらず、かつ夏休みのため尋ねる人がいないので、経路は写真より推測。)


多分こんな感じ。


以下、カヌー操縦中の写真多数。


大西と重野 兼子と下田
高橋と萩原 一人乗り用カヌーの松田


通行人にも手を振ります。

コスモワールドの前で競争。

橋をくぐって進んでいきます。

バックにはランドマークタワー。
もう日本一の高さじゃなくなっちゃうんだな・・・・。

船上でも萩原は頼りになる男。 観覧車を背景に、カヌーは進みます。
松田

下田・兼子




カヌーは赤レンガ倉庫に差し掛かります。


3年目の細田准教授は異常なうまさ。
20代の頃より体力は落ちたものの、その運動神経は逆に研ぎ澄まされたという。


雨は降ったりやんだり ランドマークタワーも遥か向こう。
思えば遠くへ来たもんだ・・・・。 後方には屋形船が見えます。


みなとみらい21に向かってすすむカヌーの船団


カヌーを乗り換えて練習。 コンクリートカヌーに近い形のヤツで。
練習が終わります。 兼子:「お疲れ様っす。」

雨降ってるけど、もう濡れてるからあんま関係ねー。

KOMATSU
小松:「今日の練習の様子がyoutubeにあがってるから、みてね!」

シーカヤック講習の方が撮影した動画がyoutubeにあるそうなので、

youtube動画



ランドマークを背景に、みんなで集合写真。



兼子:「今日は(水面の)コンディションがイマイチでしたね。」


練習、お疲れ様でしたっ!!





7月17日           

この日、横国土木はとても慌しかった。
というのも、大学院入試の面接試験があったためである。

しかし、カヌープロジェクトはそれでも進行する。


スケジュール調整リーダーの古谷は、この日のために学部時代一生懸命勉強し、院試は推薦で済ませている。
(成績上位1/3は一般入試の一ヶ月前に推薦入試を受けられる。)

本当は古谷は院には進学せずに、就職が決まってるんですが・・・・・。

古谷:「今日は海洋実験棟の大型水槽を使わせていただく日です。」



古谷:「みなさん、短パン、サンダルなどは履いてこないように。発表や試験がある人は、後から適当に参加してください。」


古谷が必死でスケジュールを調整し、アポを取り付けるに至った海洋水槽でのカヌー進水式が本日ついに行われました!!


それではVTRをご覧下さい!
150kgあるダクタリズムを・・・・・、 台座ごと台車に乗せて運搬。

ちなみに運ぶ経路は以下の通り。



距離にして、およそ300m弱。
(※マピオンの距離測による。)

しかし起伏に富んだ横国キャンパス内で重いものを運搬するという行為は、距離以上の疲労を我々の身体に刻み込むのである。

海洋実験棟までの長い旅が始まります。
第二食堂前を運搬する彼ら。 道交法上の扱いは『車輌』・・・・・かな?
前方よりトラック接近を確認。

周囲の状況に注意されたし。

海洋棟では、先生方が待機してくださいました。


とりあえずここいらで一休憩+何故か記念撮影。


ここからが上り坂でキッツイんですね( ̄▽ ̄;)


上り坂終了。 坂は死闘だったため、写真を撮る余裕なし。




何故こんなに運搬の写真が大量に撮影されているかというと、
その大変さをみなさんにも知ってほしいから!!

(写真撮ってたヤツがそれを理由に手伝うのをサボっていたという説も。)


猛暑の中、重ってぇカヌーを運んできた我々はすでに半死半生です。
汗ダクダク。


こうして、無事海洋棟の大型水槽にダクタリズムを運び込み、

いよいよ進水式です。

ようやく実験棟内に運び込み、 一息つく萩原。

クレーンで水槽に運ぶ準備をします。
「準備いいっすか〜??」 「よーし引っ掛けるぞー。」


バンドで二箇所。最もモーメントの少なくなりそうな場所へ固定。



いざ運搬!!



天空高く舞い上がるダクタリズム。

おおっ!!底面もこんなふうにペイントされていたんですね。
普段は見えなくとも、下から見ると良く分かる。

水槽のほうへ行くダクタリズム。 それに合わせて移動する吉田(早)

水槽側で待っていると、ようやくダクタリズムがやってきました。


見上げる3人(大西・玉置・中澤) あまりの感動に涙する萩原。



下田:「着水を確認いたしましたっ!!」

クレーンにより、ようやく大型水槽に着水したダクタリズム。

さて、これより実際に水上での調練に移ります。


ちなみに大型水槽の大きさは、幅およそ5m長さおよそ100m

そして深さは3m。


・・・・・・・・・・・。

結構怖い。

ちなみに、


平川先生:「もし船から落ちても、水は絶対飲まない方がいいですよ。」

平川先生:「この水槽の水、何年も取り替えてませんから・・・・・・・・。」

平川先生:「プールの水みたいに、消毒とかもしてませんしね・・・・・・・・。」


落ちたらあまりよろしくないという縛りが生まれます。




下田:「さて、まずは誰が乗船しようか・・・・・・。」
萩原:「そこはゼネラルマネージャー自ら行ってくださいよ!」
下田:「何、私が!?   私でよいのか!?」
萩原:「当然でゲス。1番は最高責任者の下田さんでゲス。」
下田:「そうか・・・・。良かろう。ならば私が乗ろう・・・・。」
萩原:「・・・(このカヌー本当に浮くかどうか分かんねーしな・・・。)」

というワケで、ダクタリズムの処女航海!


船長はゼネラルマネージャー下田。

二等水兵として中澤が乗船します。


中澤:「エネルギー充填っ、120%っ!!」
下田:「ヤマトダクタリズム、発っ進っ!!」


下田:「必ぁぁ〜ずここへ〜♪」
中澤:「帰〜って来るとぉ〜♪」
下田:「手を振るぅぅぅ〜〜♪」
中澤:「人〜にぃぃぃ〜〜♪」
下田:「笑顔ぉぉ〜で・・・・・・」


(以下フルコーラス・時間の都合によりカット。)


思ったよりも順調に進むカヌー。


100mなんてあっちゅう間。



こうして、ダクタリズムの処女航海は見事成功を収めるのでした。


直進安定性 ○
機動性    ○
重量     それほど気にならず。


喫水線も調度良い高さであり、強いて言うならば幅が広すぎてオールが長くないと漕ぎづらいといったところ。

カヌー作製、今のところ大成功である。

ゼネラルマネージャー下田は、あまりの感動につぶやいた。





下田:「時間は夢を裏切らない 夢も時間を裏切ってはならない」

中澤:「はて、どこかで聞いたセリフだが・・・・・。」
下田:「松本零士は神っす。」
古谷:「時間がもったいない!!次の人行って!!」


次のクルーは、萩原と高橋


順調に漕ぎ出す高橋と萩原。
見よ!!このカヌーさばき! ララルララ〜♪
Uターンして〜♪ 戻ってくる〜♪

どんどん行きます。

次のクルーは、


小松と、 大西。



発進


トンネルくぐれば〜♪ サヨナラ駅だよ〜♪
大西・小松ペア。 はっ、速い!!
Uターンして・・・・・、 はっ、速い!!

小松:「ふう、意外とじゃじゃ馬ですね・・・・・。」

小松はいつでもクール。



ラストクルーは

筋力肉弾魔人 兼子と・・・・、

スケジュールリーダー古谷!


兼子:「果たして貴様はオレの筋力についてこれるかな・・・・・・・・・・・・!?」
古谷:
「ふふ、JRのブ厚い時刻表で鍛えた僕の腕力をご覧に入れますよ。」


そして意外と普通な二人。 水深は3m


水槽の長さは100m

上のヤツにつかまって・・・・、 あらよっと。  そのまま方向転換。
そしてバックで車庫入れ。 はいお疲れ様でした〜。



古谷:「時間です。  撤収します!!」


こうして、カヌー進水式は無事終了しました。



秒刻みのスケジュール調整を見事にさばいてくれた古谷に拍手!!

会場となった海洋実験棟では、スタンディングオベーションの嵐が巻き起こったとか起こらなかったとか。


それでは後片付けに入ります。
まずは台座を用意して、 クレーンでもう一度もう一度運びます。

せっかくいろいろな角度からカヌーが見れるから、ついつい載せてしまう。



下の模様なんて、本番では多分一切見ることが出来ないからね。

ダクタリズム再び・・・・、 台座に下り立つ。

海洋のみなさん、
ご協力ありがとうございました。


そしてまた運搬作業が待っている。 ああやっと戻ってきた・・・。
実験室に戻ったカヌー。 中に入った水を下田が撤去。



猛暑の中、体力を使いきりしばらく動けなくなる若者達。


そこへ・・・、



林さんがよく冷えたスイカ(丸々一個)をくれました。

というワケで、

急遽土木棟一階でスイカ割り大会が開催されました。

割る役目はなぜか中澤 割られるスイカ目線
ヒット!!


パカっ!  (見事な割裂)


割れたスイカは・・・・、

包丁で細かく分断。

地盤研からやってきた佐藤と生田 みんなで一緒に食います。
古谷・米田・栗田 萩原・兼子・大西・森
小日山・吉田(早)・林さん


スイカを食らう吉田(早)
スイカ丸々一個はかなりの量なので、全部消費するまでかなりの食べごたえでした。


その後は掃除。

屋内でスイカ割りをしたので、床を拭き掃除しなければなりません。

掃除する生田 床掃除する小日山


みんなが掃除する中、一人スイカを食い続けるヤツがいた。



食料消費リーダー・栗田

食べる栗田。 一人でも食べ続ける栗田。
片付けも食べながら。 栗田のおかげで、スイカは全部なくなりました。



次回・横浜国立大学カヌープロジェクト感動の最終回。

群雄割拠 コンクリートカヌー大会
そして、新たなる旅立ち。


必見!!

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