道路,環境,地盤改良

膨潤性地盤に起因する道路の変状メカニズムの検討

この研究は,スリランカの農村道路で多発する道路が縦断方向にひび割れる現象(縦割れ)について検討を行っている。割れ目はほとんど乾季に発生し,雨季には閉まる傾向にあること,またこれらの現象が報告された地域の多くは地表に膨潤性地盤が存在するなど,数々資料や現場分析を通じ,同現象は路盤に存在する膨潤性地山に起因するものと考えられている。そこで本研究では,密度や含水比の不均一性による膨潤・収縮がその主な原因であると考え,膨潤性試験や有限要素解析を用いて,膨潤性地盤に起因する道路の縦割り現象のメカニズムの解明に挑んでいる。

繰返し載荷に伴う道路基盤の沈下に関する研究

繰返し発生する道路の大沈下の発生原因について検討している。写真はフィリピンのある国道の情況を写したもので,このような沈下が多々発生しており,補修後も繰返し発生する現象が問題視されています。交通量が多くないことなどを勘案すると,その発生原因は主に路盤を構成する赤色粘土にあると推測される。本研究では,粘土路盤の施工時荷重による過圧密による影響や車両荷重による繰返し載荷による,粘土路盤の圧密沈下および強度低下について検討を行っている。さらに,有限要素解析手法を用いて,これらの圧密や強度低下が舗装に及ぼす影響を明らかにし,その対策の提案を目指している。

鉄鋼スラグを混合した改良土の地盤構造物への適用に関する検討

鉄鋼生産の過程で発生する鉄鋼スラグには,銑鉄を製造する高炉で溶融された銑鉄以外の成分として回収される高炉スラグと製鋼工程で転炉や電気炉において生成される製鋼スラグがある。本研究では,鉄鋼スラグの新たな活用方法を模索するため,土に鉄鋼スラグを混合した混合土の地盤材料としての適用性について検討する。具体的には,道路盛土や河川・海岸堤防への適用をイメージし,混合土の物理特性,浸透特性,および強度特性の変化,および養生時間がこれらの特性に及ぼす影響,さらにスラグ混合による周辺環境への影響等について検討を行い,地盤材料としてのスラグ混合土の適用性について検討している。さらに,スラグ混合土の強度の発現メカニズムについて詳しく検討を行っている。

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