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本文へジャンプ 9月22日 
 今年は5回目の夏合宿でした。合宿のHPは,中澤君に作成を任せました。
私は,学生の感想を取りまとめるページのみ,作成することにします。
昨年は黒部ダムの見学ということもあり,非常に満足感の高い合宿であり,
今年はその上を行けるのか?ということで,幹事もプレッシャーを感じていたと思います。
最初の全体フレームは私がラフに構築しましたが,結果は皆さんの努力もあって,
昨年よりも上に行ったと思います。とにかく楽しかった。

 それでは,学生たちの感想をご覧ください。届け出順です。


@ 吉田早智子(4年)
 以前メンテナンスにどういった工法が使われているかといったお話を伺い、いろんな方法があって面白いなと思っていました。そのためメンテナンスの現場に興味があった中で今回いろんな現場を回ることができて楽しかったです。
 しかし今回実際メンテナンスを行うのに、どれだけのお金がかかってるかというのを知り驚きました。たしかにすごく良い技術でメンテナンスが行われているというのはわかったのですが、メンテナンスにそんな巨額なお金を使うというのは疑問を感じます。最新の補修技術=高いお金がかかる、そしてこの技術がいいと言う概念が生まれこれからどんどん巨額なお金のかかるメンテナンス法が生まれていくとしたら、それはおかしいのではないかと思いました。

A 古谷英彦(4年)
 今回の夏合宿は、多くの特徴的な橋梁を見学したり、三陸海岸の街で防潮堤へ行ったり、三陸の海の幸を堪能したり、バスの中でゼミをやったり・・・とても充実していました。
 その中でも特に印象的だったのが、初日のメインテナンス現場でした。事前に予習した塗膜防水シートが実際に使われていて興味深かったですし、高所作業者で実際に橋梁に上がり、松田さんから直々に説明を受けた事が感動的でした。
 
 また、4年生でレンタカーを借りて観光しながら仙台まで行ったことも楽しく、かなり疲れましたが充実感がありました。

 とても内容の濃い合宿でした。幹事の米田さんや大西さん、JR東日本の松田さんをはじめ関係者皆さんのおかげだと思います。この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。
 夏合宿で感じたこと、学んだことを今後に活かし、残りの研究生活を楽しく乗り切って行きたいと思います。

B 栗田淑乃(M1)
 今回の合宿は,主に橋梁見学が多かったけれど,私は堤防の見学が一番面白かった.堤防が想像していたよりも高くて厚く,それが2重になっていたことは,津波という自然災害がいかに大きなものであるか多少なりとも想像することが出来た.海が無いところで生活していたので,海の怖さはまったく分からないが,過去の津波水位を目で見たり,本に書いてあった山を見て海からの距離を確認すると,大変な災害であり死者数が多かったことも納得がいった.本を読むだけでは怖さも想像できなかったが,現場に行くことによって多少なりとも体感できた気がした.とても良い経験になったと思う.
 橋梁見学では,トラス橋を間近で見ると,おそらく塩害によって鉄筋が腐食し,錆がコンクリート表面に現れていたことが確認できた.塩害の構造物を近くで見る事は初めてだったように思う.
 今回の合宿では勉強した事柄を実際に目で見る事ができたし,予習していたことによってより深く学ぶことが出来て,良かったと思う.なかなかそういう機会がないので大変いい勉強になった.

C 小松怜史(M1)
 この感想文を書くにあたって、昨年はどのようなことを考えていたのかと読み返してみた。昨年は構造物の偉大さに感銘し、自分の知識のなさに落胆したといった部分が多くを占めていたように思う。一方で今年の見学はというと、無論見ている対象が違う(歴史的背景や、その主たる目的)ので一概には言えないが、予習をして自分なりに考える視点を持って望めたように思う。また質問も昨年よりは技術的なことを聞けたのかなと思った。つなみの防潮堤の大きさにも驚嘆したが、今回は特にPCトラスの知見を深められる、よいきっかけとなったと感じている。

 ただまだやはり、知識の層が薄く、他との対比などまだまだ知るべきことは多いと痛感させられもした合宿だったように思う。来年は留学から帰ってくるころで参加できるかできないか微妙であるが、できることならば参加してまた新たな視点で土木構造物を見られるようになっていたいと思う。


D 定月良倫(4年)
 夏合宿は事前の資料のおかげでPC斜張橋についての知識を得た上で見学できたので非常に有意義でした。通常のPC桁でもかまわない構造物をPCトラスという珍しいものにしてみようという、当時の技術者の探究心や行動力を肌で感じることができました。
 また前期におこなった勉強会で取り上げられたアルカリ骨材反応によるひび割れや塩害などへの対策工も見学できて、これまで学習してきたことを見学によって反芻することができたと思います。

E 石渡大嗣(M2)

1日目

仙台集合

ここでダゴさんがいないことが発覚。一緒にバスをとってあげれば良かったと後悔した。

メインテナンス現場

メインテナンス現場。JR松田さんに色々教えていただきました。常に現場の最前線にいて、学生達に熱く語っていただいた松田さんに感動するとともに、深く感謝。これからもよろしくお願いします。

バスゼミ

 M2全員うしろの席。バスの場合、普段のゼミでみられるような緊張感は後部座席には伝わりにくく、質問はほぼ出なかった。逆に幹事の大西君・米田君は責任感を感じて、さらには彼らをバックアップしようとM1は普段のゼミより質問をしていた気がする。普段のゼミでも研究室をもっと良くしようと一人一人が意識することができたなら、もっと良くなると思う。

笹かまぼこ

おいしかった。試食も食べまくった。

宿、宴会

ご飯は海の幸。ビールがおいしかった。

そして毎年恒例の夜のスピーチ。今年はちょっと準備して臨んだ。去年のM2がいい話をして後輩にいい影響を与えていたので、今年は自分も後輩にいい影響を与えられるように頑張って考えたつもり。先生方ほどではないにしろ、これからもスピーチする機会は増え続ける。社会人になる準備としてこういう機会は大事にしていこうと思った。

 酔っ払って、記憶をなくしたことは反省。

 2日目

防波堤

田老町の防波堤を見学。過去3回の津波の高さが記録されている壁は威圧感があった。ただ、「三陸海岸大津波」を読んだほど津波の悲惨さは感じられなかった。せっかく来たのだから津波を経験した人のお話を聞くなどの機会があってもよかったのではないかと思った。もっと津波の威力・悲惨さを感じたかった。実際にあうのは簡便ですけど。

小本川橋梁

はじめて見る気がするコンクリート斜長橋。完全なる勉強不足により、すごいな~という素人の感想しかもてなかった。

槇沢橋

すごい谷だった。

机浜番屋

本物の漁師さんが説明してくれた。三陸がアイヌ語やロシア語の影響を受けているのはおもしろかった。

ろばたハウス

海鮮食べ放題。おいしそうだったけど、二日酔いなので思ったより食べれなかった。

安家川橋梁

安家川橋梁の前に小さい太田名部橋梁・PCトラス橋を見学。M2で上まで登り、子供心を取り戻した。

安家川橋梁は格好良かった。

大沢橋梁

アーチにコンクリートを使っていた。隣に鋼でできたアーチ橋と対になっていて、壮観だった。

ロッジタンデム

最高の場所でした。バーベキューも最高。夏はバーベキューに限ります。花火も去年以上の芸を見せてくれた芸人さんに感謝します。

夜の焚き火が良かった。5人くらいで、3時間くらい火を見つめていた。火を見つめていると飽きないですね。

三日目

中尊寺金色堂

何も知識なしで行ったが、松尾芭蕉や義経・弁慶など関連しているらしいことがわかった。司馬遼太郎の義経とか最近読みたいと思っていたので、興味が湧きおもしろかった。

仙台・解散

何事もなく終わってよかった。いい思い出になった。

全体を通して

今年は去年を越えないと思っていた。去年は黒部というメインターゲットがあり、夏合宿に一本心があり、研究室のメンバー全員に黒部というのが頭にあったと思う。

それに対し、今年は三陸海岸というターゲットはあるものの構造物としてのターゲットがなかったので、何が目的なのかが曖昧になりかけていたと思う。しかし、そこを今年の夏合宿の幹事である大西・米田、さらには先生方が、何が目的なのか研究室のメンバーに提示する努力を怠らなかったおかげで、全体として一貫性を持った非常におもしろい合宿になったと思う。

また、去年とは違ったメンバー、違った自分のモチベーションのせいもあって、自分としては去年を越す研究室の夏合宿になったと思う。

F 玉置久也(M2)

1日目


 一部,編集者により割愛・・・・
 土木事業というのは、僕のイメージでは、一般の人にはその事業の背景や目的というのは理解されにくく、「結果」しか見てもらえません。さらに、そこに欠陥が生じた場合はただ批判されるだけで、こちらの言い分は大概理解してもらえないという非常にシビアな世界だと思います。特にJRなどの一流企業は風当たりが強いために、このような対応をしたのだと思います。本当に大変だなと思いました。

メンテナンスについては、現在、世界特許を申請している最先端の接着剤を使用しているとのことでした。それを使用すれば30年後に再度メンテナンスをすれば良いということで、他に問題がなければメンテナンスは100年間でたった3回でよいということになります。これはすごいなと思いました。

見学後は、おいしいかまぼこ料理を食べ、宿に向かいました。宿の料理は今年もおいしくて非常に満足でした。また、その後の飲み会でも、みんなとふれあえて楽しく過ごせました。

 

2日目

 2日目の朝は、みんなで堤防に行きました。そこでは、高さ15mにもなる津波の跡があり、想像しただけで恐ろしかったです。さらに海沿いへ行くと三王岩があり太平洋の雄大さに心が癒されました。

その後、小本川橋梁、太田名部橋梁、安家川橋梁、大沢橋梁を見ました。太田名部橋梁のトラス構造は遊びで作ったと聞き、土木技術者もやはりいつもとは違う橋梁を作ってみたくなるのだなと思いましたが実はそうではなく、安家川橋梁を作るための練習で、それを見たときは圧巻でした。見た瞬間にこんなのを作ってみたいと思いました。その後、バンガローに到着し、BBQをして盛り上がりました。

 

3日目

 最終日は、中尊寺に寄り、金色堂や本堂を拝観しました。天候にも恵まれ、気持ちよかったです。

 

 全体的な感想は、非常に楽しく、満足いく旅行でした。来年で卒業してしまう僕らM2にとって、この研究室旅行は非常に大切なものです。それをここまで良い思い出にしてくれた幹事の大西君と米田君には本当に感謝しています。ありがとう。


G 大西 順(M1)

     メインテナンス現場

 橋梁の見学ではメンテナンスの大変さを感じた。見学の前に論文を読み,どのような補修であるのかはわかっているつもりではあったが,実際に現場を見て感じることが多かった。既存の技術だけでは補修しきれない被害もあり,技術者は常に新しいことへの挑戦をしていかなければならいと感じた。その新しい技術を実際に見て感じることができたのは,今後の勉強または技術者を目指すうえで非常に価値のあることだと思う。

 

     防潮堤

 これまでの大津波被害の中でも,最も大きな被害があった田老の防潮堤を近くで見ることができて,非常に満足している。これほど堂々とした防潮堤を見るのは初めてで,三陸沖における津波の大きさがわかった。海の中にも多くのテトラポットがあり,ここまでしても津波が防潮堤を超えてしまうこともあるそうで,自然災害の怖さを知ることができた。

 

     各コンクリート橋梁

 いくつかのコンクリート橋梁の見学は非常に有意義なものだった。これらの橋梁の見学では企業の方の同行がなかったため,内容に欠ける見学になってしまうかもしれないと心配があったが,いくつかの予習資料もあり,また,各先生方さらには梅津さんの解説があり充実した見学をすることができた。これらの橋梁のなかでも,安家川橋梁はとても壮大なものだった。コンクリートトラスという滅多に見ることができない形式の橋梁ということもあり,ずっと橋梁を見続けた。PC橋梁で雨水にもあたりやすい環境にあるということでアル骨によるひび割れも実際に確認することができた。論文,資料を読むだけではなく,実際に見て感じることが大切であることを改めて思った。

 

     最後に

 今年の合宿は幹事としての参加だった。この仕事を通して,計画することや考えることの楽しさを学ぶことができた。さらに,他の参加者が楽しそうにしているのを見て,嬉しく思い,幹事をやってよかったと思えた。

 このような合宿を計画していただいた先生方,同行していただいた梅津さん,メンテナンス現場を見学させてくれたJR東日本,3日間お世話になったドライバーの千葉さんには感謝いたします。

H 下田智也(M1)

机上の上で勉強をするには限界がある。この点を解決する上で今回の合宿は非常に意義のあるものだった。当たり前のことだが、実際に現場を見ることは非常に重要だった。例えば、現場でしか味わえない迫力がある。初日の橋梁では高所作業車で実際の橋梁の塗膜を施す現場に上がった。そこはとても高く、実際の現場でしか味わえない感覚だった。土木構造物の維持・管理をしなければいけないというが、実際の作業は簡単にはいかないなと思った。見学した橋梁よりも危険な現場があり、作業の施工性を考えることは何より重要にもなると思う。

 初日に見学した橋梁では、アルカリ骨材反応の抑制目的のため塗膜処理を行っている。水の侵入を防ぐという意味で、現在私が行っている含浸材と同じ目的で行われている。そのため、実際に施工されているのを見て、非常に勉強になった。実際の持っている知識と比較しながら工法を見れることは非常にいい機会になったと思う。ここで学んだ知識を少しでも今の自分の研究に反映できれば良いと思う。

 二日目の橋梁見学では予習不足であり十分な知識を持って、見学できなかったことに悔いがのこる。知識を持っていたらいろいろな方向から見学することができ、新しい発見をすることができたと思う。それでも、太田名部橋梁と安家川橋梁はおもしろかった。太田名部橋梁はとても短い橋梁でかわいかった。安家川橋梁を施工するときの実験として太田名部橋梁を作ったと聞いて、実際の現場をやりながら知識を学んでいくことがあるのを知った。これは学生と社会人でも同じだと思う。やはり社会人になっても勉強は必要であると再実感した。

最後にバスの中でのゼミでだが、今回のゼミでは前に比べて積極的に参加できたと思う。積極的になれたのは自分のゼミ発表があったからだと思う。自分の発表でなんでもいいから意見を言ってくれるのはありがたい。相手の気持ちになって動かなくてはいけない。これは合宿だけでなく、カヌーからも学ぶことができた。自分のためになるためには相手のためになることが一番重要であると最近考えられるようになった。

最後に今回このような機会を与えていただき感謝しています。また充実した計画を立ててくれた幹事の二人はお疲れ様でした。

I 中澤正典(M2)
今回の合宿で、たくさん見た橋が印象的でした。

大きなトラス橋を作るために、試験的に小さなトラス橋(太田名部橋)を作った
と、確か梅津さんが言っていたと思いますが、土木技術者の抜け目の無さという
か、ちゃっかりした感じがすごいと思います。

それでいて、最終的にとても大きな構造物を作り上げるので、綿密に計画をたて
たというコトが分かり、土木事業のスケールの大きさを感じました。

それとともに、防潮堤を見た際には、それを上回る自然の大きさを感じました。

防潮堤そのものは、人間の目から見ればめちゃめちゃ大きいとしか言いようのな
いものですが、過去に起きた津波の高さを見れば、あれ程大きな防潮堤でもすべ
てを防ぎきれるものではないということが分かります。

リアス式海岸という自然がつくったとても巨大なものに立ち向かう土木技術の大
きさが、今回の合宿で感じたことでした。

J 高橋智亮(B4)

三陸海岸はその特有の地形により,大津波の被害を受けてきた.今回の合宿で一番印象に残ったのは,防潮堤の見学である.

事前に課題図書を読むまで,田老町のことは知らなかったが,町の中に津波避難路という標識が見られたように,防潮堤はこの地域の歴史的背景を映し出していた.自然災害は人の想像をはるかに超えるものだということを改めて認識できた.

橋梁のメインテナンス見学では,先人の知識,技術を生かしながら日々新しいことに挑戦する技術者の姿を見られた気がする.長期的な耐久性やコストといった問題は,今後も議論していく余地はまだまだあると感じた.

特に土木という分野は地域,環境などによって要求される技術が異なること,現場を知るということの大切さを学ぶことのできた夏合宿だった.

K 小日山喬(B4)
 劣化の種類や程度に対して細部までメンテナンスに気が配られていることを感じられました
かつ平行して実験的に材料を使う工法を見学したのは初めてで、実構造物での実験を見学出来たことはとても良い経験でした。

L 萩原和樹(M1)

昨年の合宿の感想を1年ぶりに読み返してみました。昨年は黒部ダムということもあってかかなり色んなことを自分なりに感じた夏合宿であったのだなと改めて思いました。今年は自分が一番心に残ったのは1日目にJR東日本の松田さん引率のもとに見学に行った、橋梁のメンテナンスの「現場」でした。昨年の合宿で塗膜の劣化状況を見ることができ、今年は新しく開発された技術によって、従来使用されていた塗膜による劣化を改善できるものが生みだされ、その補修現場にいけたことはとても自分にプラスになりました。何よりも、その開発に実際に携わった人の話を聞けたこと、また現場にいる人たちに直に触れられ、その誇らしげというかそういう現場の人たちの姿は何か自分の心を躍らせるというか、とても魅力的に映りました。今後就職を考える上でとてもプラスになるものとなりました。

 今年の合宿でも津波に関する本を読んでいったので、1日目に宿泊した田老町にあった堤防や、過去に起こった二度の大津波の大きさが記録されている場所では、津波の恐ろしさや、本に書いてあったような当時の光景が、容易に想像されました。

全体として本当に楽しく良く笑い、そして色々なことをよく考えさせられた合宿になりました。こんな合宿の段取りを組んでくれた幹事や先生方には本当に感謝しています。

M 兼子 弘(M1)

今回の夏合宿を通して様々なことを学び、楽しい思いができました。このような機会を与えていただいた先生方や幹事の方々、関係者の方々に感謝します。以下に感想を記します。

1.メンテナンス現場

 自分が卒論で表面含浸材をやっていたこともあり、興味深く見学することができた。メンテナンスの技術としてこういった工法が開発されており、今後もその需要は増加することが考えられる。しかし、施工がしっかりしていればその構造物は高い耐久性を持ち、メンテナンスにかかる負担は減らすことができる。現状として、既設構造物に対してはメンテナンスの必要性は高まっていくが、新設の構造物にはメンテナンスの負担を減らせるような対策をしていかなければならないのだと思った。この見学を通して色々考えさせられた。実際に現場をみて、専門家の生のお話を聞くことができて、有意義な見学会となった。

2.三陸海岸

合宿前に「三陸海岸大津波」を読んでイメージを持って見学できた。本では壮絶な津波被害の様子が記録されており、それを考えると非常に恐ろしくなった。いってみると今も普通に人が住んでいて、住民は安心して暮らせているのか、気になってしまった。しかし、そんな地で人々が安心して暮らせるようにすることも土木の成せることだと思い、土木を志す者として少し誇らしく思えた。

3.PC橋の見学

 今回見学した橋梁の形式はコンクリート橋としては珍しい形式もあって、メンテナンスなどを考えると普及することは難しいだろうが、実際にみてみると存在感があり、こういった構造形式に挑戦し、実際に施工できたということが大事なのかなと思った。構造的な仕組みや、コンクリートの性質を知っていないと見ても何も感じないし、理解できないので事前の予習と見学会でいろいろと勉強になった。こういった珍しいコンクリート構造を見ることはおもしろいし、またコンクリートの性質を勉強する良い機会となった。

N 吉田佳代(B4)
 私にとって最初で最後の研究室の合宿で、とても貴重な体験をさせていただきました。またいろんなものを見学したり、いろんな方々とお話をさせていただいたりしたことを通して、自分の未熟さにたくさん気づくことができたと思います。また多くの疑問をもって、見たり聞いたりできるような知識がほしいと思いました。
初日のメンテナンスの現場では、論文で読んでいたものを、近くで目で見るのみならず、実際に手で触れ感触まで体験することができました。メンテナンスでも、耐久性のみならず、釘の長さや打つ位置など、施工性・景観的なことも考えられて行われていることを実感することができ、とても魅力的だと思いました。
 二日目は、いろいろな橋を見せていただきました。一番印象的だったのは、コンクリートトラス橋。短スパン・長スパン両方を見たが、他の形式に比べ重量が軽減できる上に私自身はとても美しいと感じました。しかし、経済的な構造物としては定着していないよう。もう一度用意していただいた資料を読んでいきたいと思いました。それと同時に、今まではいかにして経済的かつ環境的な構造物が一番であると考えていた私であるが、技術者としていろいろな挑戦が必要なことを実感しました。
 最後に、旅館の方、ドライバーさん、メンテナンスの現場を見せていただいたJRさん、三日間一緒に同行してゼミでは貴重なご意見をいただいた梅津さん。またこんなに楽しく充実した合宿を企画・運営してくださった先生方、合宿幹事の大西さん、米田さん、本当にありがとうございました。

O 小野敦子(M2)

<ダゴさんの件>

まず、ダゴさんの心配を完全に人任せにしていたことを深く反省している。JCI出張を終始共にして、遠出の交通機関の手配が彼女にとって難しいことを知っていたにも関わらず、確認のメールを一言送ることさえ行動できなかったことを情けなく思う。夏合宿が旅行明けにあり自分の用意でいっぱいになっていた、というのは言い訳でしかなく、林さんがおっしゃった通り自分勝手なのだとつくづく思った。社会人になるまでのあと半年の間に、まず自分のやるべきことを着実にこなすこと、その上で周りを見渡せる余裕や優しさを身につける意識を忘れないように努めていこうと思う。

 

<メインテナンス現場、防潮堤、橋梁見学>

 橋梁のメインテナンス現場見学では、最新技術の内容も興味深かったが、技術の中身だけでなくニーズにより適した新しい技術が今も常に生み出されて続けていることを直接見ることができた。

田老町では、夜に海沿いを歩いた時、この真っ黒な海が壁のように押し寄せてきたら…と想像して恐怖を感じつつ、所々にある堤防の扉を閉めてみたりして災害時のシミュレーションなどもしてみた。自分がこの地域の住民になることを想像してみたら、この防潮堤の存在が住民の今の生活に大きな安心感を与えていると思った。

2日目の橋梁見学では、初めて見るタイプの橋梁を先生方や梅津さんの解説付きで見学して回ることができて、大変貴重な経験ができた。特に安家川橋梁は、土木を学ぶ立場でありながらも「この橋つくった人達すごいなぁ!! 」と他人事のような感想ではあるが、純粋にそう感じてしまうぐらい感動した。池田先生のおっしゃっていた「構造美」というものを初めて体感した気がする。

たしかに土木は画期的な技術が開発されても医学分野やIT分野のようには華々しく公表されない、地味な業界だと思う。一般的に話題になるのは、構造物が災害や事故で不能になった時だけである。しかし、その「在って当たり前の安全、安心」を生み出し、維持していくための努力が日々行なわれていることを見学で実感できた。改めてやりがいを感じたこの業界で来年から働けることがまた少し楽しみになった。

 

<全体を通して>

 今年の合宿は、個人的に去年以上に楽しかった。今回は来年から土木技術者として働くことを考えながら見学に臨んだが、そのやりがいも大変さも再認識できた気がする。また、前期の締めとして一人ひとりの反省・抱負を自分に当てはめて聞いてみると「はっ!! 」と気付かされることも多々あり、刺激的だった。普段の研究室内や呑み会では出ない開放的な雰囲気の中で先生方や仲間と語ったり笑いを共にしたりできて、充実した時間を過ごせた。来年も参加したいです。個人では実現できないような大変貴重な機会をいただき、どうもありがとうございました。