バナー
本文へジャンプ 8月13日 
2007年夏合宿の2日目に,ついに黒四発電所と黒部ダムを見学しました。
朝の宇奈月温泉街を散歩しました。「三日月」が泊まった民宿です。
まだトロッコも営業開始前でみんな車庫に揃ってました。
黒部峡谷鉄道の方まで散歩。
今日の見学会はここからスタートします。
泊まった民宿の近くのお寺に,黒部の開発に関わった方々の供養塔がありました。合掌です。「高熱隧道」や「黒部の太陽」を読んだものとして,敬虔な気持ちになりました。
温泉の噴水の前で記念撮影。
今日の見学会でガイドをしてくださる,電力記念館の佐々木さん。みんな,この方のガイドに感銘を受けました。
佐々木さんの事前説明をしっかりと聞く研究室のメンバーたち。
宇奈月駅でパチリ。
なんと工事用の列車なので,我々以外はみんな作業員たちでした。
いよいよトロッコに乗り込みます。
我々の車内はこんな感じ。立っているのが佐々木さんです。
トロッコから見える発電所。ライトアップされると「ホテルに見える」と佐々木さんの軽いジョークが飛んでました。
ここは佐々木さんに薦められた撮影スポットです。うなづきの温泉はこの黒薙が源泉でそこから引かれています。
突如左手に見えたアーチ橋に反応。
さあ,80分間,存分に渓谷の景色を楽しんで,欅平に着きました。ここからが本番です。
トロッコがスイッチバックでエレベータのところまで移動します。
欅平のエレベータに来ました。このエレベータは,工事用の資材,機材などの運搬に大活躍しました。欅平から垂直に200m上がって,そこから高熱隧道です。
エレベータに感激するというのもそうそうあることではありません。
なので,みんなエレベータの中でも写真撮ってます。
エレベータを上って降りたところで,外の景色を見ました。少し離れたところに見えている岩盤が,なんと,志合谷の泡雪崩で宿舎や作業員たちが500m以上吹き飛ばされて,叩き付けられた岩盤です。みな,「高熱隧道」を読んで来ましたので,特別な思いでその岩盤を見ました。

現在はロッククライミングなどでにぎわっているとか。
何を見上げているのか知りません。
とりあえず,ここでも記念撮影。
もう一枚。
バッテリーカーかトロッコの車両らしきものがエレベータから下ろされてます。エレベータの底面にレールがありますよね。こうやって,貨車ごと乗れるエレベータが工事のときに大活躍したのです。
さあ,いよいよここからが高熱隧道です。
バッテリーカーに乗り込みます。2両に分かれて乗り込みます。
高熱隧道の地名をみるだけでゾクッとする方もいるのでは?志合谷の泡雪崩では多数の犠牲者が出ました。阿曽原の泡雪崩でも多くの犠牲者が出ました。双方とも,「高熱隧道」(吉村昭)に詳しく書かれています。
バッテリーカーの車内では,佐々木さんがどんどんと新聞の記事のコピーなどをくださいました。泡雪崩の当時の新聞記事などで,臨場感が異常なまでに高まりました。
こちらは2両目の車内。
佐々木さんに見せていただいた,阿曽原の泡雪崩で2階以上が吹き飛んだ建物などの写真。
ここが高熱隧道で,気温で40度以上。岩盤の温度は100℃くらいあるだろう,という話でした。
湯の花が見えます。苦しいくらいの硫黄臭です。火山の2つのラインが交差する点の近くにあるそうです。
ついに高熱隧道の終点の仙人谷に到着。
仙人谷ダムです。泡雪崩で本体にも被害が出たそうです。
とりあえず,バッテリーカーとともにパチリ。
何気なく見える建物ですが,泡雪崩のときに,窓から爆風が入り込んだそうです。今は冬季は窓にシャッターをつけてるとか。
そして,黒四発電所へ。
バッテリーカーの終点であり,インクラインの基点でもあります。
発電所に入る前に大きなパネルで今日の見学ルート全体の説明を受けました。
発電所内の大空間です。すべて地下。環境破壊をしないために,発電所施設はすべて地下200mまでの空間に収まってます。
関西電力元社長の太田垣士郎さんの記念碑。彼の言葉に感銘を受けた学生も多いことと思います。
電気の付いている発電機が稼働中。4つのうち3つ動いています。
水車は溶接を使わない,ステンレスの鋳物です。
すごく精緻にできています。
4号水車が回っているところを実際に見せてもらいました。
1分間に360回転するそうです。
これが回っている軸部。すごい迫力でした。
当然,記念撮影。
水車の迫力に圧倒されてます。
非常においしいお弁当でした。緑の服を着た作業員も紛れ込んでいるようです。
隣の応接室は,紅白歌合戦で中島みゆきさんが高熱隧道から中継で「地上のほし」を歌ったときの控え室にも使われたそうです。
サインもありました。
映画「黒部の太陽」の資料もありました。
紅白歌合戦の台本もありました。
土木学会の技術賞も授与されてます。
発電所の見学を終わり,インクラインでダムまで登ります。
みんな,「すごい!」としか声が出ません。
これはインクラインに乗って,傾斜トンネルを下に見た様子。インクラインの車内では,中島みゆきの紅白のビデオが流されました。
これは順番を間違えてトロッコの写真を載せてしまいました。
インクラインで登ると,そこからはバスで黒部トンネルをひたすら黒部ダムへ向かいます。その途中で剣岳を見ました。
連峰をバックにパチリ。日本三大雪渓だとか。
さあ,バスに戻っていよいよ黒部ダムが近づいてきました。
佐々木さんはダムまでのご案内でした。黒部の魂を伝授していただきました。感銘を受けました。
ダムについて,いきなり慰霊碑です。犠牲者の方々のご冥福をお祈りしました。
学生たちも特別な思いでダムを眺めます。
まだ見学はクライマックスにたどり着きません。ロックテストのピットの見学。ダム内は,太田さんにご案内いただきました。ロックテストの詳細なご説明,ありがとうございました。
ロックテストのチャンバーの入り口です。
ちょっと順番がおかしいですが,インクラインの下の駅前の大空間の天井。
これも順番を間違いまして,剣岳のところです。
ロックテストのピットへの通用口。
ロックテストの概要を説明してもらっています。
試験の現場の一つ。
これも試験の現場。
巨大な岩の試験体を試験したそうです。
これも試験体。
水位が上がるとダムの頂部で数十ミリの水平変位が発生するそうです。フランスのダムが決壊した事例を受けて,世界銀行から調査・対策の指示が来て,このようなロックテストや解析が実施されたそうです。
いよいよクライマックス。ダムの放水を間近で見れるキャットウォークです。
あまりのすごさに皆さん絶叫。
下を見るとこんな感じ。
素晴らしい眺めです。
放水の様子。
高所恐怖症のH准教授。
ダムコンクリートの打込みに使われたバケット。プロジェクトXにも出てきました。
そのバケットを吊るフック。
バケットの前で太田さんと一緒に記念撮影。
ダムをバックにパチリ。
林さんの広角レンズで撮影。
今年の研究室のトップページはこの写真になりました。
素晴らしいダムです。
普通の人は見過ごすと思いますが,上部に見える構造物が,コンクリート打込みのクレーンの基礎です。あそこから,安藤さんがクレーンを操作したのです。
悠々と水をたたえる黒部湖。
これも順番を間違って前日の足湯@宇奈月。
作業員の方はこの時点から紛れ込んでいたようです。